(1/3) 時代のニーズに合わせ変化する仙台の老舗賃貸不動産会社、日本商事株式会社様インタビュー

SMASSO

数年前はスナックとしてテナントに貸していた店舗を、近年は次のテナントが決まるまでの間、レンタルパーティースペースとして貸し出し、2021年9月にはSMASSOを導入してスペースの無人管理を始めた「THE SALON」。

「THE SALON」を運営し、仙台市中心部で不動産の総合管理を営む日本商事株式会社の代表取締役である氏家正裕さんと取締役専務 の岡崎梓さんにレンタルスペースを始めた経緯や、SMASSOによる無人管理の取り組み状況、今後のテナントビル事業の展望についてお話を伺いました。

時代のニーズに合わせた貸し方・使い方を提案する仙台の老舗賃貸不動産会社

金子安也女(株式会社スペースコネクトスタッフ。以下、金子):まずは日本商事株式会社の事業の概要を教えていただけますか?

岡崎梓(日本商事株式会社取締役専務 。以下、岡崎)日本商事株式会社は、不動産の仲介やホテル運営管理などを手がける仙台協立グループの会社で、同グループが所有する不動産の仲介と管理運営を事業としています。2020年からは貸し会議室・レンタルスペースの予約と賃貸・販売情報を発信するWEBサイト「伊達HYBRID不動産」をリリースしました。借りられる時間単位・用途・お部屋の設備などを柔軟に組み合わせることで、新しいスペースの使い方を提案するという意味が「ハイブリッド」に込められています。

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伊達 HYBRID 不動産

金子「伊達Hybrid不動産」では貸し会議室やレンタルスペースの情報に特化していますが、仙台協立グループとしてはホテルも運営されているのですよね?

岡崎そうです。グループ内でレジャーホテルを所有し運営しています。私も最初はレジャーホテル事業に携わっていたのですが、レジャーホテルでの経験が不動産に活かせると思った代表の氏家の采配で、不動産のことも何もわからない状態でいきなり(日本商事株式会社に)連れてこられました。(笑)

レジャーホテルとレンタルスペースの意外な共通点

金子:岡崎さんが急遽、不動産事業に放り込まれた(笑)理由は何だったのでしょうか。

岡崎:不動産の時間貸しは実はレジャーホテルのビジネスモデルが元になっているんです。

金子:そうなのですか!?レジャーホテルのビジネスモデルのイメージが湧かないのですが具体的にはどのようなものでしょうか?

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仙台協立グループが運営するカフェスタイルの会議室

岡崎:レジャーホテルのビジネスモデルはコインパーキングをイメージしてもらうとわかりやすくて、スペースを安く貸す代わりに回転数を上げて収益を上げるというビジネスモデルです。通常ビジネスホテルは1日1組しか利用しませんが、レジャーホテルは1組あたりの単価が安くても利用組数が増えればビジネスホテル以上の収益が見込めます。月極契約のように売上の上限もありません。

金子:確かにビジネスホテルで宿泊するということは、お部屋を1日単位で借りているとも言えますね。それがレジャーホテルならお部屋を1時間単位で借りられるということですね。つまりレジャーホテルは「お部屋の時間貸し」だったと。

岡崎:はい、貸し会議室やレンタルスペースを始めた頃は不動産の空室が課題になっていたので、通常の長期賃貸借契約(テナント契約)以外の提供方法の必要性も感じていました。そこでレジャーホテルの時間貸しのビジネスを不動産事業に取り入れてみることになり、現在の貸し会議室・レンタルスペース事業に繋がっていきました。

「小さく借りて大きく使う」テナントへの新しい提案

金子ここからはSMASSOを導入いただいたレンタルパーティースペース「THE SALON」について詳しく話を聞かせてください。コロナにより多くの業界が何らかの影響を受けていますが、特に飲食業界への影響は大きかったと思います。テナント契約が決まるまでの間、スナックをパーティースペースとして貸し出しすることにした背景にはやはりコロナの影響があったのですか?

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レンタルスペースの無人管理にいち早く乗り出した氏家正裕代表取締役

氏家正裕(日本商事株式会社代表取締役。以下、氏家):いえ、実はコロナがあったからというわけではなく、コロナが広まる前から飲食店舗の空室活用事業としてレンタルスペース運営は始めていました。

金子:そうだったのですね。てっきりコロナでテナントの借り手が見つからなくなって空室を埋めるためにレンタルスペースにされたのかと思っていました。

氏家:確かに飲食店舗からの家賃収入の落ち込みはありましたが、そもそも元スナックの空きスペースをレンタルスペースを運用し始めたのは空室を減らすためでなく、テナント様の使い勝手をあげるためです。以前、当社のテナントであるスナックに寄ったときにママから「こんなに広いスペース要らないわよね。返そうかしら。」と言われたんです。その日はたまたまお客様が少ない日で空席が目立っていました。

金子:オーナーさんとしてはテナント様に出ていかれてしまうのは困りますね。

氏家:はい、でも実際に借りているスペースを返されたかというとそうはなりませんでした。なぜなら、ママの誕生日などイベントがある時はお店から人が溢れるくらいお客さんが来てくれるので、広いスペースが必要な日もあるからです。

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(写真はイメージです)

金子:閑散としている日もあればお店からお客様が溢れる日もあるのですね。けっこう日よって状況が変わるのですね。

氏家:そうです。もちろんオーナー(大家)である我々からすれば広い場所を借りてくれる方が有難いですが、一方でそれはテナントであるお客様にとっては家賃負担が重くなるということになります。そうなると支払い困難になるリスクが高まってしまい、結果的に我々オーナーにとっても良いことではありません。

そこでスペースのダンパー(自動車の部品で走行時の衝撃を吸収し運転を安定させる)のようなものを用意できないかと考えました。つまり、通常時の時に必要なスペースから、イベント時など大勢のお客様が来る時には必要に応じてスペースを拡張できるようにしたいなと。

金子:長期賃貸契約は必要最低限の面積にして、スポット利用で広いスペースを借りるということですね。それであれば日々の家賃負担を抑えることもできるし、お客様をたくさん呼びたい時も対応できますね。

氏家:そうです。今はテナント契約をされるお客様には「小さく借りて大きく使おう」と提案しています。「小さく」というのは単に面積のことを言っているのではなく、小さな初期投資という意味もあります。いわゆるスケルトンの状態で貸すと、テナント様に大きな設備投資をお願いすることになりますので、我々の方で営業するために必要な基本的な設備も備えた上でお貸し出すようにしています。

金子:飲食店を開業しようとすると多額の設備投資が必要になりますから、予め基本的な設備が備わっていると金銭的なハードルがグッと下がりますね。

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